私にとって外車の基本はシトロエンBXと言って憚らないのですが、実はホンダ・インサイトが2009年に登場した際、形状に魅了されてしまいました。今回、並べて個人的感想を書きます。
率直に言ってBXが古く見えます。インサイトの流線型で緊張感のあるフォルムは「空力を超えた、さらに先にあるデザイン」(←ホンダのキャッチコピー)。との近未来を感じさせます。
インサイトは発売の年に日本産業デザイン振興会の「2009年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞したそうですが、当時よく比較された2代目プリウスより明らかにカッコイイと思いますし、同じ感想をネットでよく見ます。
BXは1980年代の近未来車なんだと思います。だから現在からみれば「未来的でもあり懐古的でもあるデザイン」と思えます。
私にはBXを知った頃、新車価格が300万円を超え、カウンタックのデザイナーのガンディーニが手掛けていると読んでしまったので、カッコイイ車なんだという思い込みを最初から持ってしまいました。唯我独尊のハイドロニューマティックの脚を備えていると知ったことも並みの車でないと評してしまったのでした。 横から見ればインサイトのエンジン部分が随分コンパクトに作られているのが分かります。BXだってXantiaから比べればエンジンルームは余裕なく詰めて作ってあり無駄がないのに感心するのですが、インサイトと比較するのは製造年が違い過ぎますから、酷なことですね。
さて、空気抵抗係数CD値がBXは0.341、インサイトは0.28です。見ただけでインサイトのCD値は相当小さそうと分かるものです。
以上のように私はインサイト外観には後方以外は惚れ込んでしまったのですが、H23年頃レンタカーで乗って思ったのは「(意外に)乗り心地が良くない。」ということでした。
乗り心地やシートの快適さはBXの方が圧倒的に上、車体の大きさ(BX:4230/1660/1365、インサイト:4390/1695/1425)では実は車体が小さいBXの方が室内や荷室の広さも上を行くのですが、広さに関しては衝突安全性確保のためにインサイトは狭くなってしまったのかと思います。